亀澤酒造場 - 徳之島・伊仙町で伝統を静かに語り継ぐ、奄美酒類を支える老舗蔵
徳之島の南部に位置する伊仙町(いせんちょう)。長寿と子宝の町として知られるこの地の豊かな自然の中で、1922年の創業以来、実直な酒造りを続けているのが亀澤酒造場(かめざわしゅぞうじょう)です。
蔵のこだわり:島の営みに溶け込む、変わらぬ「誠実」な原酒造り
亀澤酒造場は、徳之島内4つの蔵元が共同で製品化・販売を行う「奄美酒類」を支える重要な製造蔵の一つです。自社の銘柄が市場に直接出ることは稀ですが、奄美群島で最も愛されている黒糖焼酎の一つである「奄美」の味の根幹を、確かな技術で支えています。大規模な機械化に頼らず、蔵人の長年の経験と五感を信じ、日々黒糖と向き合うその姿勢は、まさに職人の鑑と言えます。
蔵元データ
| 会社名 | 有限会社 亀澤酒造場 |
|---|---|
| 創業 | 1922年(大正11年) |
| 所在地 | 鹿児島県大島郡伊仙町伊仙 |
| 主要供給先 | 奄美酒類(代表銘柄:奄美) |
伝統の常圧蒸留。黒糖の「芯」を真っ直ぐに引き出す
亀澤酒造場で醸される焼酎は、すべて黒糖の芳醇な旨みを逃さない「常圧蒸留」によって造られています。伊仙町の清らかな地下水を使用し、職人の手仕事で丁寧に仕込まれる麹。その一貫した「製造」へのこだわりが、ブレンドされた際に他では出せない奥行きのあるコクを生み出します。「自分の造った酒が、島の喜びの場にあることが誇り」。そんな蔵人の想いが、一滴一滴に宿っています。
伊仙町の歴史と共に歩む
蔵のある伊仙町は、豊かな農村風景と美しい海岸線が共存する、どこか懐かしい時間が流れる場所です。亀澤酒造場の周囲に漂う甘い黒糖の香りは、百余年にわたる島の歴史と産業の重みを物語っています。派手な観光施設ではありませんが、そこには確かに、日本の伝統的な蒸留酒文化の火が灯り続けています。